2025.06.06
高齢カリフォルニアアシカの白内障および眼球摘出手術に成功
登別マリンパークニクス、ひかり町動物眼科(北海道江別市)、酪農学園大学附属動物医療センター麻酔科(北海道大学江別市)との共同で、右眼の白内障、左眼の視力消失により重度に視認性が低下したオスの高齢カリフォルニアアシカ「ベロ」(手術当時28歳)のアニマルウェルフェア向上を目指し、白内障手術および眼球摘出手術を実施し、無事に視認性を取り戻すことに成功しました。
ベロは、2018年頃から白内障が徐々に進行し、 2024年2月には重度の白内障により水晶体がずれた状態(水晶体前方脱臼)となり、視認性がほぼ消失し、痛みも強く、連日の痛み止めの投与や、獣舎移動も困難な生活を送っていました。
カリフォルニアアシカにおける高齢オスでの白内障手術の前例は国内ではほぼなく、麻酔のリスクが大きく、また手術には大学への搬送が必要であるなど、いくつものハードルがありました。しかし、天寿を全うするまでの間の生活の質の向上を目指し、社内で実施に対して度重なる検討、および大学との協議を重ね手術の実施に踏み切り、2025年4月10日に手術を実施しました。手術は無事成功し、右眼の視認性の回復はすぐに確認出来ました。術後約2週間は痛みや警戒心があり、集中的なケアが必要でしたが、手術1か月後には眼の状態も安定し、片眼のみですがしっかりトレーナーとコンタクトをとり、視力のある明るい生活を送れるようになりました。
今後は、さらなる生活の質の向上に向けて、より広い獣舎への移動や視認性を利用したエンリッチメントの提供などの目標に向けてケアを続けていきたいと考えています。
また、裏方ツアー「オットセイプールの裏側を見てみ隊!」では、参加者によるベロへのサイン出しと給餌体験を行っていきます。ぜひご参加ください!
